ポスターのないポスターセッション

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SIGARCでは,2014年度の第204回研究発表会(於 別府)より,「ポスターのないポスターセッション」という新しい形式のセッションを開催します。

実施形態

ポスターのないポスターセッションは,以下のような形態で実施いたします。なお,開催を重ねるうち問題等が見つかった場合は,適宜改善していく可能性があります。

発表までの準備

  • 発表申込を,開催日の約1ヶ月前まで受け付けます(参考:これまで一般発表は2ヶ月前を申込締切としてきました)。
  • ポスター申込〆切までは,一般発表として申し込まれたものをポスター発表に切り替えて頂くこともできます。
  • 予稿原稿の入稿は原則不要です。

発表の方法

発表形式は,通常のポスターセッションをベースとします。通常のポスターセッションと異なる点は以下の通りです。

  • 簡易的な小さいブースを設置し,発表者はそこでご説明いただきます。各ブースは,たとえば大学の教室を会場とする場合,机を2,3脚寄せたようなものをイメージしてください。ポスターを掲示するスペースはご用意いたしません。
  • 発表者はポスターを事前に印刷する必要はなく,PCやタブレット等を用いて発表していただきます。発表に用いるアプリケーションもPowerPointである必要はなく,Excelのグラフなどをそのまま用いてご説明いただいても構いません。
  • ポスターセッションの前に,インデクシングのためのごくごく短い内容紹介を壇上でして頂く可能性があります。

目的と経緯

これまで研究発表会は,基本的に一般発表(オーラルセッションでの発表)でのみ構成してきました。しかし一般発表には以下のような問題点があると考えています。

  • かなり早い段階で発表申込をしなければならず(一般に開催日の2ヶ月前),速報性が犠牲になってしまうこと。
  • 通常の国際会議やシンポジウムと同様の発表形式であるため,萌芽段階にある研究や結果が出ていない研究(実装が終わっていない,グラフがない,など)を発表しづらい雰囲気であること。

SIGARCでは,発表の敷居を下げるため,「ショート発表」を導入して参りましたが,残念ながらあまり有効には働きませんでした。

そこで,オーラルセッションの形式そのものに原因があると考え,より発表しやすい「ポスター」の形式を,研究発表会でも導入しようと考えました。しかし,通常のポスターセッションにも,以下のような問題があります。

  • ポスターの作成に手間がかかること。発表スライド作成の手間とはまた異なる,レイアウトの工夫などが必要になること。事前の印刷や運搬も面倒であること。
  • 原則参加費を頂かない研究発表会では,会場費を抑える必要があり,ポスターセッションを実施できるスペースを確保することは難しい場合が多いこと。

そこで,ポスターセッションの形式を踏襲しながら,発表者の準備の手間を極力削減し,また会場内のスペースの確保も容易となるよう実装したのが,「ポスターのないポスターセッション」です。研究室や職場で,隣の人にちょっと話を聞いてもらって意見をもらう……そんな日常の議論の延長のような,ホットな議論の場を提供できればと考えております。

FAQ

[Q] 原稿の入稿はどのようにすればいいですか?
[A] 基本的に原稿の入稿は不要です。申し込み時に入力いただいたタイトル,著者名,アブストから,担当幹事が原稿を作成し入稿します。申し込み時からアブストを変更・追記したい場合は,ご発表者の方で修正原稿を作成の上,再アップロード(上書きアップロード)していただいても結構です。
[Q] 研究業績になりますか?
[A] 論文原稿はありませんが,上記の通り,タイトル,著者名,アブストは研報に収録され,No. やページ番号も付きますので,発表業績としてカウントいただくことは可能かと思います。
[Q] ポスターがないのに,なぜポスターセッションと呼ぶのですか?
[A] 発表業績等に含めたいとお考えの場合,一般発表と区別して記載する際に「ポスター」という一般によく知られた文字列で表現できた方が良いかと考え,このような名前になっています。発表形態はポスターと同じですので,業績書等には下記のような感じで「ポスター発表」として記載頂いて良いと考えております。

五島正裕,小野貴継,津邑公暁,三輪忍,山下浩一郎:「ポスターのないポスターセッションの提案と実装」,Vol.2014-ARC-999,No.999,p.1,(2014). (ポスター).

[Q] 申込〆切は,開催日の1ヶ月前でもまだ少し早いと思うのですが。
[A] 研報の原稿入稿締切が開催日の1ヶ月前であるため,ポスター発表概要を収録させていただくためには,どうしても1ヶ月前にはお申し込みを頂く必要があります。「研報に掲載されなくてもいいから発表したい」という場合もあるかと思いますので,今後検討していきたいと思います。